
漆喰とは?住まいに使われる理由をわかりやすく解説
古くから日本の建築物で親しまれてきた漆喰。
その独特の風合いや、現代の住まいにも活かせる機能性について、関心をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、漆喰の基本的な知識から、その魅力的な特徴について詳しくご紹介し、皆様の住まいづくりや空間づくりの参考となる情報をお届けします。

漆喰とは何か
消石灰を主原料とする壁材
漆喰は、主原料として「消石灰(しょうせっかい)」と呼ばれる白色の粉末を用いる塗り壁材です。 消石灰は、石灰石を高温で焼成して生石灰にした後、水を加えて化学反応(消化)させることで得られる水酸化カルシウムのことです。 この石灰石は、太古のサンゴ礁などが堆積し、長い年月を経て地殻変動などを経て隆起した鉱脈から採掘される、自然由来の鉱物資源です。 消石灰は、建材以外にも肥料や工業原料など、幅広い用途で利用されており、私たちの生活を支える重要な素材の一つとなっています。糊やスサを加えて作られる
漆喰は、消石灰に「つなぎ」となる糊成分や、補強材としての「スサ」を加えて水で練り合わせることで作られます。 糊成分は、漆喰の粒子を結びつけ、塗りやすくする役割を果たします。 スサは、藁(わら)を細かく刻んだものや、麻(あさ)などの繊維質の素材で、漆喰が乾燥する際のひび割れ(ヘアクラック)を防ぎ、壁全体の強度を高めるのに不可欠な材料です。 時代や地域、あるいは求められる漆喰の性質によって、これらの材料の種類や配合比率は様々に工夫されてきました。
漆喰の主な特徴は何か
湿気を調整する機能を持つ
漆喰壁は、その優れた調湿性能から「呼吸する壁」とも呼ばれます。 原料である消石灰が持つ微細な孔(あな)が、空気中の水分が多い時には吸収し、乾燥している時には放出してくれます。 この吸放湿作用により、室内の湿度を常に快適な範囲に保とうとする働きが生まれます。 例えば、夏場の蒸し暑い時期には余分な湿気を吸い込み、冬場の乾燥する時期には蓄えた水分を放出して、結露の発生を抑制する効果が期待できます。 これにより、カビやダニの繁殖を抑え、一年を通して快適な室内環境を保つのに役立ちます。 ビニールクロスなどの一般的な壁紙と比較しても、漆喰の調湿性能は優れており、日本の高温多湿な気候風土に適した建材と言えるでしょう。高い防火性能を備える
漆喰は、主成分が炭酸カルシウムを主とする不燃性の無機質であるため、極めて高い防火性能を備えています。 炭酸カルシウムは熱分解の際に多くの熱を吸収する性質(吸熱反応)を持つため、火災が発生しても燃えにくく、火の回りを遅らせる効果が期待できます。 また、不燃材料であるため、燃焼時に有毒なガスを発生させる心配もほとんどありません。 この性質から、古くはお城や武家屋敷の壁に漆喰が多用されてきました。 現代の住宅においても、キッチン周りなど火を扱う場所への使用は、安全性を高める上で有効であり、万が一の火災時にも居住空間の安全を守るための重要な素材と言えます。