
建物の耐震性能の種類とは?用途や段階による分類を解説
建物の耐震性能は、私たちの安全を守る上で非常に重要です。
しかし、建物の種類や果たすべき役割によって、求められる耐震性能のレベルは一律ではありません。
特に、災害時における公共施設の重要性を考えると、その耐震性能は多角的に評価される必要があります。
ここでは、建物の耐震性能がどのように分類され、評価されているのかについて解説します。
建物の耐震性能にはどのような種類がある
施設の用途による耐震性能の区分
建物の耐震性能は、その用途によって細かく区分されています。
例えば、官庁施設においては、災害対策の指揮や情報伝達を担う施設、被災者の救助や医療活動を行う施設、避難所となる施設など、災害時に果たすべき役割に応じて求められる耐震性能のクラスが異なります。
災害対策拠点となる施設や医療施設には、より高い耐震性能が求められ、「I類」や「II類」といった区分が設定されています。
これらの施設は、大地震後も機能を維持し、活動を継続することが期待されます。
一方、一般の官公庁施設など、他の用途の建物では、「III類」や「B類」といった区分が適用される場合もあります。
これらの区分は、施設が災害時にどのような役割を果たすべきかによって定められています。
耐震性能の段階的分類
耐震性能は、建物の「構造体」、「建築非構造部材」、「建築設備」という三つの要素に分けて、それぞれ段階的に分類されています。
構造体は建物の主要な骨組みであり、地震の揺れに直接耐える部分です。
建築非構造部材とは、天井、間仕切り壁、窓ガラス、配管など、構造体以外の部材を指します。
建築設備には、電気設備、通信設備、給排水設備などが含まれます。
これらの各要素に対して、「I類」「II類」「III類」(構造体)、「A類」「B類」(建築非構造部材)、「甲類」「乙類」(建築設備)といった分類がなされ、それぞれに目標とされる耐震性能が定められています。

耐震性能の評価基準はどのように定められる
構造体における耐震性能の目標
構造体の耐震性能目標は、主に「I類」「II類」「III類」に分けられます。
「I類」および「II類」では、大地震の揺れの後も、建物の補修を必要とせず、人命の安全確保に加えて十分な機能が維持されることが目標とされます。
これは、災害時においても建物の継続的な利用を想定したものです。
「III類」は、大地震による一部損傷は想定されるものの、建物全体の耐力の低下が著しくなく、人命の安全が確保されることを目標としています。
建築非構造部材の耐震性能目標
建築非構造部材については、「A類」と「B類」で目標が設定されています。
「A類」では、大地震後も、災害応急活動や避難者の受け入れ、危険物の管理などに支障が生じるような損傷や移動が発生しないことが目標とされ、人命の安全と機能確保の両立を目指します。
「B類」では、大地震による損傷や移動が発生する可能性はありますが、人命の安全確保と二次災害の防止が図られることが目標となります。
建築設備の耐震性能目標
建築設備の耐震性能目標は、「甲類」と「乙類」に区分されます。
「甲類」は、大地震後も人命の安全と二次災害の防止が図られることに加え、大きな補修なしで必要な設備機能を相当期間継続できることを目標としています。
これは、災害時におけるライフラインの維持などに重要です。
「乙類」は、大地震後における人命の安全確保と二次災害の防止が図られることを目標としています。

まとめ
建物の耐震性能は、その用途や災害時の役割に応じて、多段階で評価・分類されています。
官庁施設を例にとると、災害対策拠点としての機能維持が求められる施設では、構造体、建築非構造部材、建築設備それぞれに高い目標が設定されています。
一方で、一般施設など、他の用途の建物では、人命の安全確保を最優先としつつ、損傷の程度や機能継続性に応じた目標が定められています。
このように、建物の重要度に応じた耐震性能の理解は、私たちの社会全体の安全性を高める上で不可欠と言えるでしょう。