日建のお役立ちコラム

断熱材の種類を比較!特徴と施工方法で最適な選び方

住まいの快適性や光熱費に大きく影響する断熱材は、新築・リフォームを問わず、住まいづくりにおける重要な要素です。
しかし、その種類は多岐にわたり、それぞれに異なる特徴や性能を持っています。
グラスウール、ロックウール、そして様々な発泡プラスチック系断熱材など、数ある選択肢の中から、ご自身の住まいに最適な素材を見つけ出すためには、それぞれの特性を深く理解することが不可欠です。
今回は、多様な断熱材の特徴を比較し、それぞれの施工方法や選び方のポイントを解説することで、理想の住まいづくりをサポートします。

断熱材の種類ごとの特徴比較

グラスウールは安価で施工しやすいが湿気に弱い

グラスウールは、ガラスを高温で溶かし、繊維状にした断熱材であり、主原料がガラスであるため、不燃性で火災時の安全性に優れているという特徴を持っています。
繊維の間に大量の空気を含むことで高い断熱性能を発揮し、その製造コストが比較的低いため、断熱材の中でも安価な部類に入ります。
また、柔軟性があるため、柱や梁の間に充填する際の加工が容易というメリットがあります。
しかし、グラスウールは吸湿性が高く、湿気に触れると断熱性能が著しく低下する性質を持つため、壁内結露や湿気対策が施されていない環境での使用には注意が必要です。
湿った状態が続くと、カビの発生や建材の劣化を招く可能性も否定できません。

ロックウールは耐火性・耐水性が高く吸音性もある

ロックウールは、玄武岩などの岩石を高温で溶かし、繊維状にした断熱材であり、グラスウールと同様に不燃性であることに加え、さらに耐火性能が非常に高いことから、建築基準法では不燃材料として認定されています。
その構造から、水が浸入しにくく、吸水・吸湿しにくい耐水性も備わっており、湿度の高い環境でも断熱性能を維持しやすいのが特徴です。
また、繊維が複雑に絡み合った構造は、音の伝達を効果的に吸収するため、優れた吸音性能も持ち合わせており、外部からの騒音低減や室内での音漏れ防止に貢献します。
これらの特性から、住宅だけでなく、公共施設や商業施設など、高い安全性や静粛性が求められる場所でも広く採用されています。
価格はグラスウールよりやや高めですが、その多機能性からコストパフォーマンスに優れると評価されることもあります。

発泡プラスチック系は断熱性能が高く薄く施工できる

発泡プラスチック系断熱材には、ポリスチレンフォーム(EPS、XPS)や硬質ウレタンフォームなど、様々な種類があり、これらの断熱材は、微細な気泡を多数含んだ構造をしており、非常に高い断熱性能を誇ります。
同じ断熱性能を得るために必要となる厚みが、グラスウールやロックウールに比べて薄くて済むため、限られたスペースでも効果的な断熱を実現できる点が大きなメリットです。
また、軽量で加工しやすく、耐水性や耐久性にも優れているため、基礎断熱や屋根断熱など、様々な部位で施工が可能です。
ただし、他の断熱材と比較すると価格は高くなる傾向があり、また、火災時には燃焼して有毒ガスを発生させる可能性があるため、防火処理を施すなどの対策が重要となります。

断熱材の種類ごとの施工方法と選び方は?

吹き付け断熱は隙間なく施工できる

吹き付け断熱は、現場で発泡させるタイプの断熱材、主に現場発泡ウレタンフォームなどが用いられる工法です。
特殊な機器を用いて、壁や天井などの構造体に直接、液状の原料を吹き付け、吹き付けられた原料は化学反応を起こして瞬時に発泡・硬化し、複雑な形状の箇所や配管・配線周りにもぴったりと密着するため、家全体を隙間なく覆うことができます。
これにより、断熱性能の向上はもちろんのこと、高い気密性も同時に実現できるのが最大のメリットであり、気密性が高まることで、冷暖房効率の向上や結露の発生抑制効果が期待できます。
一方で、専門的な知識と技術を持つ業者による施工が必須であり、DIYでの施工は困難なため、他の工法に比べて初期費用が高くなる傾向があります。

ボード系断熱材は壁や床に隙間なく貼れる

ボード系断熱材は、工場で一定の形状と密度に成形された断熱材を指し、主に発泡プラスチック系ボードやロックウールボードなどが該当します。
これらのボードは、あらかじめ決められたサイズにカットされており、建築物の壁面や床・天井などに、隙間なく重ねて、あるいは並べて貼り付けて使用されます。
設計図に基づいて計画的に施工できるため、断熱材の厚みや密度を均一に保ちやすく、安定した断熱性能を発揮させることが可能です。
また、比較的軽量で扱いやすいため、DIYによる施工も選択肢に入る場合があります。
ただし、ボードとボードの継ぎ目や、構造材との取り合い部分には、気密テープなどで丁寧な処理を施さなければ、そこから熱や空気が漏れる原因となるため、確実な施工が求められます。

断熱材選びは性能とコスト施工性を総合的に判断する

断熱材を選ぶ際には、断熱性能を示す数値をはじめ、初期費用、施工にかかる手間や工期、そして長期的な耐久性やメンテナンス性といった、様々な要素を総合的に考慮して判断することが重要です。
断熱性能は、建物の部位や地域によって求められる基準が異なりますが、一般的には熱伝導率の低さや、住宅全体の断熱等性能等級(UA値、ηAC値)への寄与度で評価されます。
コスト面では、材料費だけでなく、専門業者に依頼する場合の施工費も加味する必要があります。
施工性においては、DIYで対応できるか、専門業者でなければ難しいか、工期にどの程度影響するかなどを検討します。
さらに、湿気への強さ、燃えにくさ(耐火性)、吸音性、そして建材としての耐久年数(経年劣化の度合い)なども、将来的な住まいの快適性や維持管理コストに影響するため、見落とせないポイントとなります。

まとめ

断熱材選びは、住まいの快適性、健康、そして経済性に直結する重要なプロセスです。
グラスウール、ロックウール、発泡プラスチック系といった主要な断熱材には、それぞれ価格、断熱性能、耐火性、耐水性、施工性など、異なる特性があります。
また、吹き付け断熱やボード系断熱材といった施工方法も、気密性や施工のしやすさに影響を与えます。
したがって、断熱材の選択においては、単一の性能だけでなく、これらの多様な要素を包括的に比較検討し、ご自身の予算や住宅の構造、立地条件、将来的なメンテナンス計画などを踏まえて、最適な素材と工法を見極めることが肝要です。
本記事で解説した情報を参考に、後悔のない断熱材選びを実現し、快適で省エネルギーな住まいを手に入れてください。

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