日建のお役立ちコラム

耐震性能の種類を解説 等級ごとのメリットデメリットと選び方

地震が多い日本において、住まいの安全性は誰もが重視するポイントです。
特に、万が一の災害に備える上で、建物の「耐震性能」は家族の命や財産を守るための重要な要素となります。
建物の地震への強さを示す「耐震等級」という言葉は耳にする機会も多いかと思いますが、等級によって具体的にどの程度の揺れに、どの程度耐えられるのか、その違いを明確に理解することは、安心できる住まい選びの第一歩と言えるでしょう。
今回は、耐震等級の基本的な違いから、それぞれの等級がもたらす具体的なメリット・デメリット、そして建物への影響について詳しく解説していきます。

耐震性能の種類と基本的な違い

耐震等級1は建築基準法が定める最低限の基準である

日本の建築基準法では、数十年に一度発生する確率の、比較的大規模な地震(震度5強程度)に対して、建物が倒壊・崩壊しないことを最低限の基準として定めています。
これが耐震等級1に相当し、現行の建築基準法に適合した建物であれば、このレベルの耐震性は確保されていると判断されます。
さらに、より頻繁に発生する中小規模の地震(震度3〜4程度)に対しては、軽微な損傷に留まることが求められており、この等級は、最低限の安全性を確保するための基本的な指標と位置づけられています。

耐震等級2は等級1より1.25倍の地震に耐える

耐震等級2は、耐震等級1で想定されている地震の1.25倍の力に対して倒壊・崩壊しない強度を持つ建物に与えられる評価です。
これは、一般的に震度6強から震度7に相当する、極めて激しい揺れに耐えうるレベルと言えます。
公共施設や病院、学校といった、災害時の避難場所や拠点となる建物に特に求められる基準であり、一度の大きな地震だけでなく、余震などにも耐えうる、より高い安全性を確保したい場合に選択されることが多いです。

耐震等級3は等級1より1.5倍の地震に耐える

耐震等級3は、耐震等級1で想定される地震の1.5倍の力に耐えることができる、最高レベルの耐震性能を示します。
これは、数十年に一度発生する極めて稀な巨大地震、すなわち震度6強から震度7クラスの揺れに対しても、倒壊・崩壊はもとより、損壊に至るリスクが極めて低いことを意味します。
住宅においては、最も高い安全性を求める場合に選ばれることが多く、家族の生命を第一に考え、長期にわたって安心して暮らしたいと願う方々にとって、有力な選択肢となります。

耐震等級ごとの具体的なメリットデメリットと建物への影響

耐震等級3はより大きな地震でも倒壊損壊リスクが低い

耐震等級3の最大のメリットは、その卓越した耐震性能にあります。
極めて稀に発生するとされる巨大地震や、一度の大きな地震で済まず、連続して発生する激しい揺れに対しても、建物が倒壊したり、致命的な損壊を受けたりするリスクが大幅に低減されます。
これにより、人命を守ることはもちろん、建物の資産価値を維持しやすく、地震後の生活再建においても、より有利な状況を保つことが期待できます。
周囲の建物が甚大な被害を受けるような状況下でも、安全な避難場所となる可能性が高まります。

耐震等級が高いほど建築コストや間取りの制約が増える場合がある

耐震等級を高めるためには、建物の構造をより強固にするための補強が必要となります。
具体的には、壁の量や強度を増したり、柱や梁を太くしたり、基礎を強化したりといった対策が講じられます。
これらの構造的な強化は、建材の増加や工法の複雑化を招き、結果として建築コストの上昇に繋がる傾向があります。
また、耐震性を高めるために配置される耐力壁は、窓やドアといった開口部を設ける位置や大きさに制約を与えることがあり、設計の自由度、つまり間取りの選択肢が限定される場合があることも、等級を上げることのデメリットとして考慮すべき点です。

耐震等級による住宅ローン金利や保険料の違いを確認する

耐震等級は、住宅ローンや火災保険、地震保険といった経済的な側面においても影響を与えることがあります。
地震に強い建物と評価される耐震等級3の物件に対しては、一部の金融機関で住宅ローン金利の優遇措置が設けられている場合があります。
また、火災保険や地震保険においても、耐震等級に応じて保険料の割引が適用される制度が存在します。
これらの制度は、金融機関や保険会社によって内容が異なるため、家づくりを進める際には、各社の条件を確認し、長期的な視点で経済的なメリットを把握しておくことが賢明です。

まとめ

建物の耐震性能を示す耐震等級は、建築基準法で定められた最低限の基準である等級1から、より高い安全性を目指す等級2、等級3へと区分されます。
等級1は一定規模の地震で倒壊・崩壊しないことを保証しますが、等級2、3と進むにつれて、より大規模な地震に対する耐久性が高まり、倒壊や損壊のリスクを低減できます。
ただし、耐震等級を高めることで建築コストの増加や間取りへの制約が生じる可能性もありますが、住宅ローン金利の優遇や地震保険料の割引といった経済的メリットも存在します。
ご自身の計画と照らし合わせ、最適な等級を慎重に検討することが、将来の安心へと繋がるでしょう。

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